十時愛梨のゴキゲン☆ととキッチン♪ ≪5品目(再編):ゴキゲン中飛車対超速の久保流急戦≫
(注:この記事は以前書いたものを加筆・再構成したものです。)
王将戦七番勝負が進行中ですねっ♪
ここまで久保王将が中飛車を指していませんが、
思い出されるのは前期王将戦です。
スコアは久保九段(当時)からみて○○○●●○の4-2で
一気に3連勝で奪取に王手を掛けたのが印象的でしたね。
この奪取劇はある作戦が大きなカギを握っていました。
2017/01/08…第1局
王将戦開幕早々飛び出した急戦策。
ここで郷田王将は☗6五角と打つ対策を採用しましたが、久保九段が勝利しました。
2017/01/26…順位戦B級1組
1/23の第2局を久保九段が先手番で勝利して迎えた順位戦での対局です。
先手番から端歩を突いてこの急戦策をぶつけました。
郷田王将は☖4五角でリベンジを狙いましたが、久保九段が返り討ちにしています。
2017/02/01…第4局
久保九段はまたもこの急戦策を採用し、一気に王将奪取を狙いに行きました。
郷田王将は☖5二金右と変化して急戦を回避。
こうなると☗7八銀は進展性が乏しい形で困りました。
結果は郷田王将がカド番を凌ぎました。
2017/03/01…第5局
急戦策に対策を用意された久保九段は☖8二玉で速攻を見送りました。
結果は郷田王将が連勝で返すものの、
続く第6局を制した久保九段が王将位を奪取しました♪
今期王将戦でもどこかで出てきそうな、この急戦策が今回のテーマですっ♪
ここでは久保流急戦と呼ばせて頂きますねっ♪
久保流急戦とは?
まずは、久保流急戦の手順と狙いを見ていきましょう♪
先ほどまでの流れでは☖3二銀がネックになっていましたが、
現在は☖4二銀型に改良されています。
基本図からの指し手
☖5六歩 ☗3三角成 ☖同 銀 ☗5六歩
☖同 飛 (第1図)
狙いはとてもシンプルで、5筋位取り中飛車の特権である
☖5六歩と突けば歩と角が同時に当たるのを活かして
同時に交換して捌いてしまおうという作戦ですっ♪
☗3三角成を☖同銀と取れば同流するする分、
☖4二銀型の方が☗5八金右など変化されたときに進展性がありますねっ♪
ただし、この作戦は成立しない形もあるのでおさらいしておきましょうねっ。
不成立条件(☗3七銀・☗6八銀型)
第2図は☗4六銀に替えて☗6八銀と上がって変化した局面ですねっ。
この局面を迎えたら☖8二玉とするべきなんですけど、
それはまたの機会に説明しますねっ♪
第2図からの指し手
☖5六歩 ☗3三角成 ☖同 銀 ☗5六歩
☖同 飛 (第3図)
狙い通り角と歩を交換して捌いて好調なようですけど…。
第3図からの指し手
☗3五歩 ☖同 歩 ☗4五角 ☖5一飛
☗2三角成 (第4図)
第4図はこの馬をうまく消す手順がなくて、
(1)☖2二歩☗4五馬(A図)
(2)☖3四角☗2四歩☖2二歩☗3四馬☖同 銀☗1六角(B図)
どちらも振り飛車が失敗です。
でも、A図の局面は超速の☗4六銀型ならうまい切り返しがあるんですっ♪
早速ですが、久保流急戦の世界へご案内しますっ☆
第1図からの指し手(1)
1. ☗3五歩☖同 歩☗4五角(テーマ図1)
まずは、先ほど出てきた☗4五角の反撃ですねっ。
さっきと同じように進めた先に用意の反撃があるんですっ♪
テーマ図1からの指し手
1-1. ☖5一飛☗2三角成☖2二歩(第5図)
先ほどはダメとされたA図と似ていますが、☗4六銀型なのに注目してくださいねっ!
第5図からの指し手(1)
1-1-1. ☗4五馬☖3六角(第6図)
わずかな形の違いで成立したすることを見抜いたのはさすがですねっ♪
創始者に敬意を表して久保流急戦と呼ばせてもらっていますっ♪
こうして生まれた定跡ですが、じつは実戦例はそれほど多くはありません。
なんだかちょっと、通算成績が悪いのが気になりますね。
それは戦型分類からもわかりますが、対策が多岐にわたるからです。
ここまでマイナス要素を並べたので、
あまり良いことがないようですが、そんなことはないんですっ。
創始者の久保王将の成績を見ていきましょう♪
なんと、わずか2敗で勝率は驚異の.778ですっ!
もちろん、久保王将の実力によるところが大きいですけど、
ちゃんと定跡を理解していれば主導権を握って積極的に動ける戦法なんですっ♪
この戦型は分量が多いので、今回は左側の3つに絞って解説しますねっ♪
あと、☗4五角型はあまり指されていないんですけど、
比較的最近に出た新しい変化も含めて見ておきましょうね
第5図からの指し手(2)
1-1-2. ☗5二歩(第8図)
☗5二歩(第8図)と進んだ将棋はこちらです。
この歩はどちらかの金で取るしかないですね。
(1)実戦の様に☖5二金左とすると飛車の利きが止まるので、
☗5六馬☖4二金☗6六馬☖3六歩☗2四歩☖3二金(D図)と、
馬を左辺に据えて活用するのが狙いです。
(2)同じようでも☖5二金右とするのは、
☗5六馬☖6二金☗6六馬☖3六歩☗2四歩☖3二金(E図)で
1手得できますが、固くは囲えませんねっ。
この戦型で目指す理想形はこんな感じです。
- 玉の囲いは美濃囲い。
- 左辺の守りは金1枚で、銀を自由に動かせるように組む。
居飛車はこれを阻止しようと策を講じてきますので、
- 美濃に組む余裕がない。
- 左辺に金銀2枚がくぎ付け。
ざっくりと、こういった展開は振り飛車が苦しい変化と言えると思います。
もちろん例外もあります。
振り飛車から速攻を仕掛ける場合は1番は当てはまりませんし、
これからの変化を見る大まかな目安と思ってくださいっ♪
さて次は、☗4五角型の発展形を見ていきましょうねっ♪
第1図からの指し手(2)
2. ☗3五歩☖同 歩☗2四歩☖同 歩☗2三角☖5一飛☗5五歩(テーマ図2)
次は3筋に続いて2筋も突き捨てて、☗2三角と打つ変化ですっ。
この変化の特徴は、
- 両取りの先手から☗5五歩と打って馬を作るスペースを確保
- ☗3五銀~☗2四銀のスムーズな進出
これらが見えて好調な流れを感じさせますね。
でも、持ち歩の数に注目してくださいねっ。
先手0枚 vs. 後手3枚&持ち角ですっ♪
局面を動かす下地はできていると思いませんか?
実際に、過去の実績も勝ち越しているんですよっ♪
この表の戦型分類を見て流行の推移がわかると思います。
☗3五銀に注意しつつ、この順に解説していきますねっ♪
なお、☗2四歩の突き捨てを☖同 銀は、☗4五角☖5一飛☗2三角成(F図)が
銀取りになってしまうので、突き捨てはどちらも歩で取る一手です。
テーマ図2からの指し手(1)
2-1. ☖4四歩(第9図)
これは棋聖戦挑戦者決定トーナメントの決勝という大一番で現れた変化ですねっ♪
深浦九段は先程述べた不成立条件の形を用いて久保流急戦を避ける傾向にあるので、
テーマ図2はとっておきの作戦だったのでしょうね。
☖4四歩(第9図)の意味は、☗3五銀に☖6五角(G図)を用意しています。
☗5八金右の様に受けると☖3二金で角を逮捕する狙いですねっ♪
☗2四銀☖同 銀☗同 飛☖3二銀(H図)と進めば振り飛車十分で、
初見でこの手順を捻り出すのはすごいですよねっ♪
しかし、実戦は☗5六角成☖3六歩☗3八金(第10図)と進んでみると、
いつでも☗6五馬と出られるキズが大きかった様です。
テーマ図2からの指し手(2)
2-2. ☖4二金(第11図)
これは順位戦A級渡辺竜王 vs. 羽生三冠のゴールデンカードですねっ!
☖4二金(第11図)はあらかじめ金を逃がすことで、
第12図以下は2通りの実戦例があって、
(3-1)☗4五馬☖2五角☗5八金右☖4四歩☗5六馬☖3四銀☗1六歩☖3三桂
☗1七桂☖4五歩☗2五桂☖同 歩(K図)で押え込みが決まりました♪
(3-2)☗3八金☖8二玉☗2六飛☖7二銀☗3六飛(第13図)と進んだ実戦もあって、
これは動かす駒が難しい印象です。
テーマ図2からの指し手(3)
2-3. ☖2五歩☗5六角成☖3四角(第14図)
次は北浜新手☖2五歩ですっ♪
2手進めてしまいましたが、☖2五歩の局面は、
(1)☗2五飛は☖3六角(L図)があって取れませんねっ。
(2)☗3五銀はあらかじめ歩が逃げているので緩和されていますっ♪
(3)ここでも☗5六角成が本筋になりますが、
☖3四角(第14図)で追撃できるのがこれまでとの違いですっ♪
最近は実戦でお目にかかれませんが、
☗3五銀対策と反撃含みを同時に実現してとても合理的な作戦なんですっ♪
ここでの変化は3通り考えられますね。
- ☗6六馬…5筋の安定(実戦例なし)
- ☗4五銀…先手を取って☗2五飛
- ☗5七馬…☗3五銀の進出
順番に見ていきましょう♪
第14図からの指し手(1)
2-3-1. ☗6六馬(第15図)
第15図からの指し手
☖4四銀 ☗3八飛 ☖2六歩 ☗2八飛
☖3三桂 ☗2六飛 ☖2五歩 ☗2八飛
☖4二金 (第16図)
☗6六馬は5筋の位をキープする方針ですが、
☖4四銀で角頭を守ることができますねっ♪
振り飛車からは☖3三桂~☖4二金~☖2一飛が見えているので、
じっくりした展開には持ち込みにくいです。
3筋を攻める方針も☖2六歩から1歩の犠牲で
振り飛車がかなり手得を重ねられるので不満のない展開になりますっ♪
第14図からの指し手(2)
2-3-2. ☗4五銀(第17図)
第17図からの指し手
☖1二角 ☗2五飛 ☖2四歩
☗4五銀(第17図)は先手を取って飛車を走る狙いですね。
ここで逃げ方が2通りあります。
- ☗2八飛 ☖4四銀(第18図)
- ☗2六飛 ☖4四銀(第19図)
まずは☗2八飛から見ていきましょう♪
第18図からの指し手
☗4六歩 ☖3三桂 ☗2四飛 ☖5五銀
☗4七馬 ☖4五桂 ☗2二飛成 ☖6二銀
☗4五歩 ☖同 角 (第20図)
下段まで飛車を引く場合は馬に紐がついていないので、
☖4四銀に身動きが取れないですね。
続く☖3三桂で銀桂交換の駒得が約束されます♪
第20図は互角ながらも、存分に駒が働いて不満がないと言えそうですっ♪
第19図からの指し手
☗4四同銀 ☖5六角 ☗同 飛 ☖4四歩(第21図)
☗2六飛は馬に紐をつける引き場所ですが、
☖4四銀から馬を消せて互角ですが満足の展開ですっ♪
第14図からの指し手(3)
2-3-3. ☗5七馬☖5六歩☗6八馬(第22図)
☗6八馬(第22図)は、拠点を作られるものの、
☗3五銀の攻め味に期待した引き場所です。
第22図からの指し手
☖4四銀 ☗3五銀 ☖1二角 ☗4四銀
☖同 歩 ☗2五飛 ☖3二金 (第23図)
少し居飛車が良いかもしれませんが、後手の期待勝率ぐらいでしょうか。
この変化も研究があるので、機会があれば紹介したいですっ♪
次がプロの最重要テーマですよっ♪
テーマ図2からの指し手(4)
2-4. ☖8二玉(第24図)
これは☗3五銀の攻めに対策せず放置しているので、
固めて相手の出方に対応していく方針ですね。
2-4-1. ☗3五銀(第25図)
☖6四角 ☗5八飛 ☖3四歩 ☗同 銀
☖4二金 ☗3三銀成 ☖同 金 ☗5六角成
☖4四金 ☗4六銀 ☖3六歩 ☗3四歩
☖7二銀 (第26図)
☖6四角から飛車筋を逸らして☖3四歩~☖4二金で
角の逮捕を見せるのが良いでしょう。
第26図は銀が捌けて美濃に組めているので不満なしですっ♪
2-4-2. ☗4五角成(第27図)
第27図からの指し手
☖4四銀 ☗6三馬 ☖6六歩 ☗5八金右
☖7二金 ☗1八馬 ☖6七歩成 ☗同 金
☖3六角 (第28図)
☗4五角成は歩の両取りですが、☗6三馬を許すのが正解ですっ♪
☖6六歩が激痛で、☖1二角が見えているので取れないんですっ♪
☖7二金も大事で☖6一飛の援軍も見せているんですよ☆
第28図は馬を消せて大成功ですねっ♪
2-4-2. ☗5六角成☖3六歩☗4五馬(第29図)
☗5六角成が本筋で、☖3六歩と逃がすして☗4五馬(第29図)が分岐点。
- ☖2五角…☖3六歩を守りつつ、次に☖3七歩成~☖4七角成の狙い
- ☖1四角…☗1六歩☖XXX☗1五歩☖2五角で一手稼ぐ狙い
- ☖7二銀…歩を犠牲に手を稼いで態勢を整える狙い
と、いろいろな手が試されていますが、
詳しくはまたの機会に詳しく調べるとして、今回は☖7二銀を簡単にみましょう♪
第29図からの指し手
☖7二銀 ☗3六馬 ☖3二金 (第30図)
指した手数を数えてみると、
- 先手8手+馬の動き
- 後手10手
となっていますので、馬を消されると居飛車は主張がなくなってしまいますね。
なので、この馬を目標にしながら角を当てたりして行けば、
自然と手得を重ねられますっ♪
わかりやすい実戦例を挙げるとこちらですねっ♪
☗4五馬☖1二角☗1八馬☖5六歩(第31図)と進むと、更に1手得を重ねています♪
美濃に囲えて強く戦いやすいので、これがプロには人気ですっ♪
次の対策は強敵ですよ~。
第1図からの指し手(3)
3. ☗6八銀(テーマ図3)
☗6八銀は、☖7六飛に☗7七銀を用意してケアした意味がありますね。
対戦成績を見てわかるように、かなりの実戦例があります。
黒星が並んでいるのから苦戦しているのがわかります。
テーマ図3は☗5五歩で飛車の退路を断たれる手が見えていますね。
ここが分岐点で、
- 無難に飛車を引き上げる☖5一飛
- 2筋の守りを優先する☖3二金
2通りが指されていて、現在は後者が有力視されていますねっ。
まずは飛車を引く変化から見ていきましょう♪
テーマ図3からの指し手(1)
3-1. ☖5一飛☗3五歩☖同 歩☗2四歩☖同 歩☗3四歩☖2二銀☗2四飛(第32図)
飛車を引く変化は、3筋と2筋を突き捨てて☗3四歩があります~。
☖同銀は☗2四飛が受けにくいですね。
1歩の得より☖2二銀と引かされる形が窮屈ですね。
これがとても大きいんです。
第32図からの指し手(1)
3-1-1. ☖2三歩(第33図)
第33図からの指し手
☗2六飛 ☖3二金 ☗6六角 ☖8二玉
☗3五銀 ☖7二銀 (第34図)
☗6六角が銀の動きを封じる好手で、
左辺の金銀が働かない駒になってしまいました~。
美濃を完成させる目標は達成しましたが、3手1組の好手順で駒損になります。
第34図からの指し手
☗2四歩 ☖同 歩 ☗2三歩 ☖同 銀
☗1一角成 (第35図)
第35図は☖3三歩でまだ難しいながら香損です。
この歩はどちらも触らない方が良い駒になっていて、
- ☗3三歩成は☖同桂が馬取り。
- ☖3四歩は☗2四銀を☖3四銀と逃がすことができません。
拮抗状態の間に☗3七桂~☗4五桂を間に合わされてしまうので、
振り飛車が勝ちにくい将棋です。
第32図からの指し手(2)
3-1-2. ☖3二金(第36図)
☖3二金(第36図)は☖2三歩を保留できないかという考えですね。
ただし、これには別の変化が生じます。
第36図からの指し手
☗4二角 (第37図)
☗4二角(第37図)と打たれる変化が生じていました~。
☖4二金は☗2二飛成で困りますね。
テーマ図3からの指し手(2)
3-2. ☖5一飛☗2四歩☖同歩☗3五歩☖3二金(第38図)
これまでは3筋⇒2筋の順で突き捨てていましたが、
これは先に2筋を突き捨てた場合に可能な変化です。
汎用性は低いですが紹介しておきますね。
というのも、☖5一飛☗3五歩☖3二金の場合は、
☗3四歩☖同 銀☗3八飛☖3五歩☗5八飛(M図)で困ります~。
陣形が整っていないので飛車交換はお断りですが、
拒否するのも歩切れになってしまいます。
3筋突き捨てを手抜くことはできないんですっ。
第38図からの指し手
☗3四歩 ☖同 銀 ☗2四飛 ☖2三銀
☗2八飛 ☖2四歩 (第39図)
左銀が1つ高い位置で受けることで☗6六角を緩和していますが、
居飛車が3歩手持ちにしているのと、
左辺の金銀2枚が重い形なのが気になりますね。
これまで紹介した変化はどれも左辺が重く窮屈という印象です。
苦戦の原因は自然に見えた☖5一飛にありそうです。
テーマ図3からの指し手(3)
3-3. ☖3二金☗5五歩☖7六飛☗7七銀☖7四飛(第40図)
☖3二金は左辺を先受けした効果で、
☗3五歩☖同歩☗2四歩☖同銀(N図)と取れるようなっていますっ♪
ただし、☗5五歩と退路を断たれると次に☗6五角があるので、
☖7六飛~☖7四飛(第40図)は必然の進行になります。
ここがあらたな分岐点です。
第40図からの指し手(1)
3-3-1. ☗5三角(第41図)
☗5三角(第41図)は馬を作りにいく自然な一手ですね。
ただし、これは振り飛車が積極的に動きやすい変化ですっ♪
第41図からの指し手
☖4四銀 ☗8六角成 ☖3三桂 ☗2四歩
☖同 歩 ☗同 飛 ☖2三歩 ☗2八飛
☖5六歩 (第42図)
☖4四銀と先手を取って☖3三桂と跳ねた形は、
☖5六歩(第42図)垂らす手が厳しく振り飛車が指しやすいですっ♪
初期のころは☖4四銀が発見されていなかったので、
対戦成績が奮わない原因となっています。
第40図からの指し手(2)
3-3-2. ☗6八金(第43図)
☗6八金は阿部健流で、金を繰り出して飛車を圧迫しようという狙いです。
第43図からの指し手
☖6二銀 ☗5七金 ☖4四銀 ☗6六金
☖3三桂 ☗5六角 ☖9四飛 (第44図)
先ほどと同様に☖4四銀~☖3三桂の活用が急所ですっ♪
☗5六角は☖4五銀を消した意味もあります。
☖9四飛が大事な逃げ場所なので覚えてくださいねっ。
第44図からの指し手(1)
☗9六歩 ☖5四歩 ☗9五歩 ☖8四飛
☗7五金 ☖5五銀 ☗3四角 ☖4六銀
☗同 歩 ☖5七角 (第45図)
☖9四飛と逃げたのは☗9六歩~☗9五歩の間に1手稼ぐのが狙いでした。
こうして得た1手の余裕で☖5四歩が大きな役割を果たし、
☖5五銀の変化が生じました~♪
第45図は飛車が取られてしまいますが、
守りの金がいないので守りが薄くバランスが取れていますっ♪
この変化は里見香奈女流四冠(当時)が採用して見直されました~♪
第44図からの指し手(2)
☗2四歩 ☖同 歩 ☗同 飛 ☖5四歩
☗同 歩 ☖同 飛 ☗5五歩 ☖5一飛
☗3五歩 ☖同 歩 ☗3四歩 ☖4五桂
☗同 角 ☖同 銀 ☗同 銀 (第46図)
先ほどの変化は飛車を追う間に手を作られてしまったので、
今度は2筋で1歩入手するのを優先します。
これなら☖5四歩~☖5一飛と生還できますが、
1歩千金とばかりに☗3五歩の桂頭攻めに来られます。
☖4五桂を☗同銀は☖5五銀がありますが、
本譜の☗同角で2枚換えの駒損になりますね。
途中まで前述の女流王座戦と同じ進行で話題となった以下の実戦では、
第46図から☖1四角と打っていますね。
他にも☖4四歩など考えられますし、とても可能性を秘めた変化だと思いますっ♪
この☖3二金の変化の良いところはまだまだあって、
ほかの変化からも誘導できるところなんですっ♪
☗6八銀(テーマ図3)から☖3二金型への誘導
通常型からの誘導
基本図からの指し手
☖3二金 ☗6八銀 (途中図) ☖5六歩 ☗3三角成
☖同 銀 ☗5六歩 ☖同 飛 ☗5五歩
☖7六飛 ☗7七銀 ☖7四飛 (再掲第40図)
久保流急戦の出発点だった基本図から☖3二金☗6八銀の交換を入れれば、
テーマ図3から☖3二金の第40図へ誘導できるんですっ♪
例えば、久保流急戦(第1図)で不安な変化があれば、
無理やりこの変化1本に誘導できるという訳なんですっ♪
不成立条件(☗3七銀・☗6八銀型)からの誘導
第2図からの指し手
☖3二金 ☗4六銀 (途中図) ☖5六歩 ☗3三角成
☖同 銀 ☗5六歩 ☖同 飛 ☗5五歩
☖7六飛 ☗7七銀 ☖7四飛 (再掲第40図)
不成立条件とされた☗3七銀・☗6八銀型でも、
☖3二金☗4六銀の交換が入れば誘導可能ですっ♪
どちらの変化も☖3二金に続く☖5六歩を防ぐ手段は難しいので、
再現性は高い変化なんですっ♪
つまり、居飛車党としては超速を指す以上は
第40図は常に想定しておかなければいけない変化なんですっ♪
久保流急戦が引き出しにあるというのはこんな隠れたメリットがあるんですよっ♪
残りのテーマ図4~7はまたの機会に解説するので
楽しみにしていてくださいねっ♪
この記事が王将戦観戦のお供になりますようにっ♪